僕はたまに興味を持っていなかった本でもAmazonのレビュー評価がよかったりすると買ってしまうことがあるのですが、このたび、その法則に従って「脳には妙なクセがある」という本を購入しました。
東京大学教授である池谷裕二さんの書かれた本なのですが、読んでみるとみなさまのレビュー通り面白かったです。そして、勉強にもなりました。
(脳はそういう仕組みになってたのかぁ)
と何回思ったことか^^;
で、その本で紹介されていた一つの話を音楽やっている後輩に教えたのですが、その後輩の解釈が面白かったので、紹介したいと思います。最近エッセイ書いてなかったので、久しぶりにエッセイ風に書いてみよう。
脳には妙なクセがある
「脳には妙なクセがあるって本知ってる?」
およそ本には興味のない音楽好きの後輩に、半ば答えを予想しながら聞いてみた。
「知らないっす」
予想通りの回答が返ってくる。
「けっこうおもしろかったで。勉強になったし」
「どんな本なんすか?」
「脳の研究してる東大の偉い先生が書いた本で、いろいろと脳の仕組みを実験もふまえて紹介してくれてるねん」
「ふーん、まあ、東大の先生がいうことやから間違いないんでしょうね」
まったく興味を示さない後輩だったが、僕は新しく知識を得るとそれをすぐ誰かに伝えたくなるので、その場合は相手の反応など気にせず突っ走る。
「いっこな、話教えたるわ」
「はぁ」
そして、相手がまったく聞く体制になってないのに話し始める。営業には不向きな男である。
行動と感情のバランス
「あんな、脳はな、行動と感情のバランスを取ろうとするらしいわ」
「なんですか?それ?」
しぶしぶという感じで聞いてくれる後輩。
「例えば服買うときな、服Aと服Bを同じくらい気に行って迷って、悩みに悩んで服Aを選んだとするやん。ほんでな、服A買った後な、自分で『やっぱり服Aにしてよかった。服Bは今考えたら、それほどよくなかったな』って思うことってない?」
「それあります!」
「オレもやねん。これ、買い物に限った話やないねんけど、脳がバランスとろうとしてるらしいねん」
「どういうことですか?」
少し興味を持ってくれる後輩。
「服Aと服B同じくらい気にいってたのに、服Aを選んだ。てことは、服Bに関しては、『気にいってたのに買わへんかった』ことになるやん」
「はい」
「これをな、行動と感情の矛盾ていうねんて。感情では気に行ってるのに、行動では買ってないからな」
「なるほど」
「でな、その矛盾をなくすために脳がバランスとるらしい。この場合、『服Aを買った』っていう行動は既成事実としてあるから変更できへん。だから感情を『服Bはそんなによくなかった』っていうふうに変更すんねんて。ほな、『服Bは気にいってないから買わなかった』ってなって、矛盾がなくなるやろ」
「なるほどねー、うまいことなってるんですね。でも、それ僕も迷った買い物の後でよく思いますわ」
今日伝えたい話を伝えることができ、後輩も納得してくれた様子なので僕は満足感に浸っていた。そのとき、
「さかもとくん、いいこと思いつきました」
と後輩。何か思いついた様子。
「今年もライブイベントやるでしょ?」
僕は毎年9月に、自分主催のライブイベントをやる。いつも知り合いのバンド、5~6バンドに出演してもらい、お客さんの入場は無料にしている。
「うん。やるで」
「それね、お金取ったらどうです。3000円くらい」
「いや、今までずっと無料でやってきたし、それはアカンわ。そもそも3000円に見合う演奏できへんしな」
「でも、今の話だとさかもとくんの演奏、実際よりうまくなるんじゃないですか?」
いまいち話が見えない。
「どういうこと?」
「だってね、3000円払ってお客さんきてもらうじゃないですか。で、さかもとくんの演奏がお金もらえるような演奏じゃなかったとするじゃないですか。その場合ね、『あいつギターめっちゃうまかったな』って後からお客さんの印象が変換されるんじゃないですか?」
「いや、『金返せ!』ってなるやろ」
「だってさっきの話とおりだとすると、『3000円払った』っていう既成事実は変えれないじゃないですか。だったらバランスとるために、『さかもとくんの演奏は3000円の価値があった』って変換されません?」
なるほど!なんかちょっと納得!よし!次のライブはお金取って…
「いや、やっぱ『金返せ!』ってなるわ」
「なんでなんですか?」
「わかれへんけど、お前もそうやない?3000円払って見たライブがひどかったらどう?」
「『金返せ!』ってなりますね」
「な?」
「はい」
「やっぱり、今年も無料ライブにするわ」
「それがよさそうですね」
もっともっと脳の勉強をしなければと、後輩との会話で思いました。
おわりに
「脳には妙なクセがある」レビュー通り面白い本で勉強になりました!自分の考え方とかを見直して、
(そういう仕組みなんだ)
といろいろ納得できました。なにより、わかりやすかったです。脳の仕組みや自分の思考回路に興味があれば、とても面白く読める本だと思いました。
後輩は面白いこと考えるなぁと感心しました。たぶん、解釈間違えているんでしょうが笑
今回紹介した脳の仕組みはほんの一部なので、また機会があれば紹介したいと思います。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。