今回は自分なりに効果のあった緊張のほぐし方(プレッシャーの対処方)について紹介したいと思います。
これまで何度か、趣味でやっている音楽のライブ中などに頭が真っ白になってしまうことがありました。人前で話すのとかはそんなに緊張しないのに、なんでだろうと思っていろいろとネットで検索したり、本を読んだりして勉強すると、
「なるほどな」
と思えることが多々あったので、今回はその内容について紹介したいと思います。
contents
読んだ本【本番に強くなる】
ネットなどでもいろいろ調べたのですが、一番ためになったのはメンタルトレーナーである白石豊さんが書かれた
「本番に強くなる メンタルコーチが教えるプレッシャー克服方」
という本でした。
※この先、この本のネタバレを含みます
この白石豊さんという方は元阪神タイガースの下柳選手のメンタルトレーニングも担当され、下柳選手が阪神タイガースへ来てからの活躍に大いに貢献されている凄い方です。
下柳選手、風貌からは想像できないのですが(失礼ですね^^;)、阪神のホーム球場である甲子園球場で5万人の大歓声の中で投げることを考えただけで、足が震えたそうです。
もともと下柳選手がいた日本ハムファイターズは今でこそ人気チームですが、当時は阪神みたいに人気のあるチームではなく、お客さんが少なかったんですね。だから、そういった環境の中で投げれる自信がなかったそうです。
しかし、白石さんが下柳選手のメンタルを強くサポートし、2003年、2005年の阪神リーグ優勝に貢献。特に2005年、下柳選手は37歳にして15勝を挙げて最多勝を獲得するという大活躍でした。
下柳選手の例は一例ですが、この本の中で、いかにメンタルが大事かということが詳しく書かれていて非常に勉強になりました。下柳選手以外にも、いろいろなプロ選手の例が紹介されておりました。
僕の場合プロでもなんでもなく、ただの趣味なのでレベルは全然違うのですが、それでもためになる話は多かったです。
プレッシャーについて勉強しようと思ったきっかけ
なぜプレッシャーについて勉強しようと思ったかですが、ライブ中に頭が真っ白になってしまったことが数回起きたからです。担当楽器はギターなのですが、そうなった時は指が震えて、練習で完璧に弾けていたフレーズも全て頭から飛んで、どうすることもできない状態になりました。
これまでもライブなどはしていたし、仕事などで人前で話すこともあったりして、緊張することはあったのですが、頭が真っ白になることはなかったんですね。
自分は本番に強いと思っていたのもあったので、すごくショックで、悔しくて、プレッシャーについて勉強しようと思った次第です。
不安は誰にでもある
まず勘違いしていたのは、不安(プレッシャーがかかる状態)は誰にでもあるということでした。これは本にも書かれてましたが、ネットなどでもそう書いてる人が多かったです。本番に強い人はプレッシャーを感じることがないと思ってました。
でも、そうではなくて、本番に強い人はプレッシャーへの対処がうまいようです。
プレッシャーを感じないのが無理であれば、対処するしかないということですね。そして、このプレッシャーを克服していくことで、どんどん成長していけるというわけです。
「おれ、本番で緊張しないタイプやから」
という人も、本当のところは、
「プレッシャーはかかっているが、うまく対処ができている」
という表現が適切だと思います。
では、自分に効果があった具体的な対処方を紹介していきます。
対処法1:受け入れる
あまりにも当たり前ですが、これ大事な気がします。僕はライブ前、
(今日は、緊張するかなぁ、せーへんかったらええなぁ、あー、緊張してきた、嫌やなぁ、どうしよう)
みたいな感じでした。
要は、プレッシャーがかかることを悪いことだと思っていたのですね。できれば緊張したくないと。でも、これが間違いでした。どうせ緊張するなら、最初からそう思っておくようにしました。これだけでだいぶ違います。
(どうせ緊張するやろな。あ、ほら、やっぱりや。緊張してきた)
って思う方がずいぶん楽です。本ではプレッシャーを感じ始めたとき、
「おう、来たか」
と声を出してみるのも効果的と紹介されていました。僕は声には出さないですが、(あ、やっぱり今日も来たな)と思うようにしてます。
これだけで、
(緊張してきたー。どうしよう。。。)
と思うことはなくなりました。
次に、実際の対処法について紹介しますが、その前に、プレッシャーの大きさについて。
最初に、
「緊張したことはあったが、頭が真っ白になったことはなかった」
と書きましたが、かかるプレッシャーの大きさが違ったんですね。例えば、野球の大会などでも地方大会の1回戦、地方大会の決勝、全国大会の1回戦、全国大会の決勝、かかるプレッシャーの大きさは当然変わってきますが、頭が真っ白になった時は、はじめて自分の対処できない(許容範囲を超えた)プレッシャーがかかってしまったというわけです。
対処法2:プレッシャーの正体を見極める
次にプレッシャーがかかってきたら、それが外から来るプレッシャーなのか、自分が内から生み出しているプレッシャーなのか見極めます。これが重要とのことでした。
外から来るプレッシャーとはいつもと違う環境に置かれたことによるプレッシャーですね。大きな会場、大勢のお客さんなどを見て感じるプレッシャーです。
内からのプレッシャーは「失敗したらどうしよう」や「うまくやらなければいけない」といった思いが生み出すプレッシャーです。
僕の場合は両方ありましたが、内からのプレッシャーの方が大きかったです。というより、ほぼ自分が生み出しているプレッシャーでした。
外からのプレッシャーについては、自分では制御できないことが起因です。ライブを例に挙げると、主催者でもない限り、ライブをする場所やお客さんは制御できません。
自分で制御できないなら、受け入れるしかない。本では
「みんな、一緒や」
と声を出して受け入れるのが効果的とされていました。
僕が実際にやって効果的だったのが、ステージからお客さまをよく見るということでした。できれば演奏中も。そして、
(こんなにもお客さんが来てくれているんだ、こんなところで演奏できるなんて幸せだ)
と思うようにしました。それまでは、あまりステージからお客さんを見ないようにしてました。見たら緊張すると思って。でも、見ても見なくても状況が変わるわけではない。
だったら、しっかりと来てくださってる方を見て
「自分はここで演奏するんだ」
としっかり自分にわからせた方がいいです。外からのプレッシャーはそれだけでだいぶ楽になりました。ただ、自分は心が弱くて、大きな原因は自分が生み出すプレッシャーでした。次はその対処法です。
対処法3:内からのプレッシャーに対して、笑う
ふざけてるようですが、本当にこれです!!笑うんです。これに尽きます!!
これ、びっくりするくらい効果的でした。この記事で一番いいたかったことこれです笑
内からのプレッシャーに関しては、本で色々と対策方が紹介されていますが、僕が一番感じたことは
自分で自分を必要以上に追い込んでいた
ということです。これまで、演奏中に頭が真っ白になって飛んでしまった場面。はっきり覚えているのは、
「初めてプロミュージシャンの方とご一緒させてもらったとき」
「初めてギターデュオ(ギター2本)で演奏したとき」
の2回です。このときは
「絶対にミスしてはいけない。自分のミスですごい迷惑がかかる、絶対にミスできない!」
という思いしかなかったです。演奏が始まる前から、ステージに上がっただけで心臓がバクバクしてました。そして、自分のソロパートになり、ミスをします。
(やばい!)
と思ったときには自分の指か?って思うくらいに指が震えだします。ただでさえ演奏がうまくないのに、指が震えだすと、もうどうすることもできません。
そのあとは悲惨です。
覚えてるフレーズは飛んでいる。アドリブする余裕もない。(そもそもアドリブスキルも低い。。。)
結局、まともに弾けずに自分パートが終わるといったそんな感じでした。練習では完璧に弾けていました。
(これが、プレッシャーに潰されるということか)
初めての経験に冷や汗も出ました。
でも、これまでバンドのライブなどで、自分のソロパートをミスることなどしょっちゅうです。なぜ、その2回だけそんなことになったのか、決定的に違ったのは、演奏前の気持ちです。
普段のライブは、当然うまく演奏したいという思いはありますが、心のどこかで
(ミスしてもいいや)
と思っていました。だから、実際にミスしてもそんなに焦らなかったんです。そして、他のメンバーがミスをしたときなど、みんなで演奏中でも笑ったりしてました。
これが凄く大事だったんです。この笑うっていう行為で、気持ちが楽になってました。その時は気づきませんでしたが、バンドメンバーと一緒の時は自然に笑顔になれてたんですね。
プロの方に迷惑をかけれない、ギターが2本しかないので、自分がミスをすると相方一人に凄い迷惑をかけてしまう。そういう思いがプレッシャーを大きくして、自分を追い込んでました。
だから、同じようにしました。プロの方と一緒に演奏するときも、ギター2本でやるときも同じようにしました。要は、
(ミスしてもいい)
って思うようにしたんです。そして、ミスしたら絶対に笑うようにする。今ではギター2本でミスをしたときでも、必ず笑っています。
見ている人からすれば、1人だけいきなり笑いだすからだいぶ気持ち悪いと思いますが、気にしません笑
それだけで気持ちが楽になります。
(ミスできない!うまくやろう!!)
と、どれどほ強く思ったところで実力以上のことはできません。だったら、どんな場面であっても
(実力通りに弾いて、ミスったら仕方ない)
って最初から思っている方がよっぽど楽です。そして、ミスったら必ず笑う。これは本当に効果的でした。
音楽仲間とそんな話をしている時に、
「俺、ミスったら他の人めっちゃ見るで!お前がミスったやろ!みたいな感じで。わろてまうけど(笑)」
という人がいましたが、それくらいでいいと思いました。プロの世界ではもちろんダメなのでしょうが、趣味なので、そのくらい楽な気持ちの方が、余裕ができるし、楽しくやれると思います。
※本ではゾーン状態という凄いパフォーマンスが発揮出来る状態についての説明がありましたが、自分は経験したことがないので割愛します(笑) いつか経験したいなぁ。
対処法4:セルフイメージを持つ
うまくいっている自分を想像するのも効果的なようです。
いつもミスをしてしまう人は、知らない間にミスをしている自分のイメージがついてしまっているので、良いセルフイメージが持てていないことが多いそうなのです。
そして、そういうイメージだと結果もそうなってしまうことが多くなるので、自分が今からやろうとしていることに対して良いイメージを持つということは大事です。
少し違うかもしれませんが、僕はたまに仕事で大勢の前で話すことがあります。何年か前に、大勢の客さんの前でプレゼンをする機会があったのですが、そのとき、
(こんなん、できへんわけないやん)
って思ってたんですね。そのプレゼンはコンペのようなものではなく、簡単に言えば会社が今取り組んでいることをお客さまに伝えるというものです。
もちろん、プレゼンにも上手い、下手はあると思うし、コンペのようなもので、勝たないといけないプレゼンではそれなりにプレッシャーもあると思います。
でも、ただ会社の取り組みを紹介するだけ、そして、資料は何回も社内で確認され、ブラッシュアップされてます。会社の人に
「大丈夫?緊張せーへん?」
と聞かれたりしましたが、正直、
(こんなん、できへん人おるんか?)
とすら思っていました。
最悪、資料を進めながら、書いてることを読んでいくだけでも成り立ちます。失敗するイメージなんてないです。そんな気持ちでプレゼンを始めたら緊張することなく、無事に終わりました。
当然の結果ですが、これは今思うと、
(うまくやれる)
というイメージしかなかったから、緊張もしなかった。つまり、
プレッシャーはあったかもしれないが、成功するセルフイメージを強く持てていたので、プレッシャーにうまく対応できていた。
ということになるのかもしれません。
以上、自分の経験も交えて有効だと思えたプレッシャー対処法について紹介させていただきましたが、白石さんの本には、この記事で紹介していない、まだまだたくさんのためになるお話がありました。
いつも本番で存分に力を発揮できないという方には、オススメの一冊になります!!
おわりに
紹介しましたように、僕はちょっとしたとこで本番にかなり強くなれました。もちろん、ライブではいっぱいミスりますが、それは単純に下手だから(笑)
でも、練習でできていることが本番でできないのは悔しい。
それをなくすため、今回紹介したことを実践していきました。そして、効果を実感できています。
今でもまだ練習通りに弾けないことはありますが、指が震えて、頭が真っ白になるということは無くなりました。ライブに限らずですが、練習して臨んだ本番で、練習通りの力を発揮できないの悔しいですもんね。
もし、同じ悩みを抱えてる方がいらっしゃいましたら是非試してみてください!
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。