坂道発進


今回のお話

僕は車が好きで、今まで結構乗ってきた方だと思う。学生の頃、初めて中古で買った車がトヨタのEXIV(コロナ)という車で、そこから、ファミリア⇒初代アクセラ⇒RX-8⇒3代目アクセラと乗り継いできた。

2台目のファミリアで初めてマツダ車に乗って、そこからマツダファンになり、以降ずっとマツダ。マツダ車が良いのはもちろんだが、ディーラーさんと仲良くなったのが大きいかもしれない。

本当によくしてくれる。車が良いのはもちろん大事やけど、それと同じか、それ以上に車を売る人が大事なのかもしれないなと、ディーラさんと話しているといつも思う。

車を買うときは(もちろんやけど)ディーラーさんが車の説明をしてくれる。こんな機能が新しいですよとか。しかし、実際に乗ってみると、説明されていない部分にもいろいろ新機能があることに気付く。それに気づく度にその車が好きになっていくんやけど、今乗っている現行アクセラのある機能に驚いた。今回はその機能について書くが、話のスタートは12年前に遡る(笑)

名古屋での体験

27歳の頃から2年半、仕事の関係で名古屋にいた。愛知県はトヨタがあって、デンソーやアイシンなど大手自動車部品メーカーの本社があるので、言うまでもなく自動車産業が盛ん。

僕も車に組み込むプログラムを作成する仕事をしていた。職場で知り合う人達の中には車好きの人も多い。自分の車でサーキットに行く人も結構いたりして、そんな人たちの話を聞くのは面白くて、仲良くなるのにそんなに時間はかからなかった。

ある日、友達のRX-7(FD もちろんMT)に乗せてもらっていたときのこと。凄く急な坂で止まった。これサイド引かな下がるなと思ったけど、サイドブレーキを引かない。

(このまま発進するんか。。。絶対さがるぞ。。。)

とドキドキしていた。後ろにそれほど距離がなく後続車がいた。大丈夫かな。。。

坂道でクラッチを踏んだ状態でも、ブレーキからアクセルを素早く踏み変えてクラッチを繋げば、車はほとんど下がらない。これはわかるが、この坂は無理だと思った。

急勾配すぎる。信号が青になる。前の車が発進する。次の瞬間、心地よいロータリーサウンドが響き渡り、1mmも下がることなくスムーズに発進。

何で??サイドブレーキ引いてないやん??なんで??

「なんで下がらんの?」

ってきいたら

「ヒール&トゥだよ」

とクールに教えてくれた後、「さかもとくんでら焦っとったがー(笑)」と言われる。

名古屋弁のアクセントの位置めっちゃ好きやけど、このときは何かドキドキしてるところからずっとバレてたと思うと無性に恥ずかしかった。

ヒール&トゥは豆腐屋さんの車がやっているようにシフトダウンの時に使う技だと思ってた。坂道発進に使えるとか初めて知った。。。

名古屋ではいっぱい友達もできて、いろんな経験もさせてもらって、いろんな技術学ばせてもらったけど、彼が教えてくれた「坂道ヒール&トゥ発進」は僕の貴重なスキルになった。(習得に苦労したが)

ヒール&トゥ習得

名古屋での生活が終わり大阪へ戻ったのが29歳のとき。名古屋時代は初代アクセラ(AT)に乗ってたが、大阪に帰ったら心機一転車を変えようと決めていた。車は憧れていたRX-8。

名古屋で大いに影響を受けた僕はMTを選択。

運転すると、やっぱり楽しい。ずっとMTは運転してなかったが、1カ月もしないうちに違和感なく運転でるようになった。ただ、「坂道ヒール&トゥ発進」の習得はてこずった。難しかった。友達が教えてくれた手順。

1.停止状態(左足でクラッチを切り、右足でブレーキを踏んでいる状態)
2.1の状態から、右足のつま先でブレーキを踏んだまま、右足のかかとでアクセルを踏み込む
3.左足を半クラッチへ持ってくる。
4.半クラッチの状態で右足をアクセルに踏み変える
5.アクセルを踏み込みクラッチをつなぐ

頭ではイメージできる。でも、ロケットスタートみたいになってエンストしたり、死ぬほど下がったりした。ロータリーエンジンが泣きそうなサウンドを奏でることもあった。

練習は夜の車が少ないときに坂道で止まって後ろに車がいないときにやってたが、もし人に見られていたら「あいつあれでよく免許取れたな」と思われるくらいの醜態をさらしていたに違いない。

しかし、練習を重ねるとなんとなくコツがわかってくる。コツをつかんだらそれほど難しくなかった。初めてキレイに「坂道ヒール&トゥ発進」ができたときの嬉しさは、初めてギターのFのコードをキレイに鳴らせたときの嬉しさに似てた。

なので、きっと難易度は同じくらいなんだと思う。(ギター弾かない方すみません)

「坂道ヒール&トゥ発進」を習得後、最初の頃は楽しくて多用したが、完璧にできるようになってからは、本当にそれが必要な時にしか使わないと決めた。

自分にとって「坂道ヒール&トゥ発進」は必殺技みたいな感じになっていた。

だから、雑魚(そこそこの坂)には使わない。雑魚にはクラッチを切った状態からの、素早い(右足)ブレーキ→(右足)アクセル→(左足)クラッチつなぎで十分だ。

よっぽどの坂でない限り、右足のかかとはくり出さないと決めた。このルールを制定し、しばらくしてあることに気付いた。

ほとんど、いや、もう全ての坂が雑魚なのだ。ボスを倒せる力があるのに、スライムしか出てこない感じ。ボス倒せる力あるのに。。。

結局、RX-8に9年間乗って、必殺技(坂道ヒール&トゥ発進)を練習以外で繰り出したのは、10回もなかったと思う。

RX-8は素晴らしい車だったが、いろいろ理由があって現在(3代目)のアクセラに乗り換えた。そして、信じられない機能に出会うことになる。。。(RX-8、本当にありがとうTT) 

新車に搭載されていた驚愕の機能

新しいアクセラもMTを選んだ。もう体の感覚がMTになってる。RX-8とは走りの質というか、感覚が全然違うが、違和感ないし、これからアクセラの感覚に慣れていくはず。

乗る感覚はぼちぼち慣れていけばいいと思ってたが、クラッチ繋がる位置が違うのが気になった。必殺技をスムーズに繰り出せるかの確認はすぐにしておきたかったので、納車の日に手頃な坂へ行った。

坂道で止まる。まずは必殺技を使わない方法。右足をブレーキからアクセルへ素早く踏みかえてクラッチを繋ぐ。スムーズに発進。

あれ・・・今、下がる感覚なかった。必殺技を使わない場合、ブレーキリリース→アクセル踏み込み(クラッチつなぎ同時)のコンマ何秒か、車は何かしらの物理的な法則に従って下がろうとする。

その感覚がなかった。気のせいか?ぐるっと回ってもう一度同じ坂で止まった。幸い、後ろがいなかったので、ブレーキリリース→アクセル踏み込み(クラッチつなぎ同時)を意識的に遅くしてみた。

もう気のせいではない。ぜんぜん車が下がらないのである。すぐにGoogle先生に聞いてみた。

HLA(ヒルローチンアシスト)

なんと、聞いたことないこの機能が搭載されていた。簡単に言うと、「坂道でクラッチを切った状態でブレーキリリースしても下がらない」システム。

いや、凄い、凄いと思います!いや、凄い。。。凄いけど、これで完全に必殺技を繰り出す機会がなくなった。だって、下がらへんもん(笑)

てか、これ、すげーな。。。いつか教習所から「坂道発進」なくなるんかな。でもせっかくヒール&トゥなんとなく覚えたし、本来のシフトダウンでやってみよかな。

いや、そんなんも全部車がやってくれるようになるんか。てか、全部AIがやってくれるようになるんか。。。

将棋のプロとか囲碁のプロがAIに負けていってる。豆腐屋の天才ダウンヒラーもいつか無人の車に負けるのか。。。坂道下がらんかっただけで、そんなことを考えたってお話でした(笑)

短くまとめれない。。。今回も最後まで読んでくださりありがとうございました!!

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