純粋すぎる大学生がクロージングをしたらこうなりました

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今回のお話

今回は、新卒で入った会社を辞めた後、少しスポーツジムでアルバイトをしていた時期があるのですが、そのときのお話を紹介しようと思います。

純粋すぎる大学生のお話です。

退職

大学を卒業して入った会社を1年もたたないうちに退職した。元々ガマン強い方ではなかったが、理不尽なことが多かったように記憶している。(ちなみに今、その会社はつぶれている)

会社では営業をやっていた。営業という仕事が嫌ではなかったが(というより自分に合ってる気はしていた)、当時、パソコンが一般的になりつつあるころで、漠然とコンピューターに対する憧れがあった。

(パソコンでプログラム組む仕事したいな)

いつしかそんなことを考えるようになり、ちゃんとプログラムの勉強をしようと思った。大学で少しプログラミングの勉強をしたが少しかじった程度なので、とても仕事で通用するレベルではない。

というわけで、プログラミングの専門学校に行くことに決め、その学費を賄うため、アルバイトを始めることにした。

スポーツジムバイト

学習期間は半年だったので、半年間のアルバイトということになる。職種など特にこだわりはなかったので、「半年でも良いですよ」と言ってくれるところならどこでもよかった。

ほどなくして、自宅からそれほど遠くないスポーツジムでのアルバイトが決まった。

このスポーツジムは通常のジムに置いてる筋トレの機材などはほとんどなく、ボクシングを取り入れたボクササイズを売りにしているジムだった。

インストラクターが数名おり、初球、中級、上級というレッスンに分かれていて、会員さんは自分のレベルに合ったレッスンを受ける。会員さんは8割以上が女性だった。

僕の仕事はフロント業務だった。受け付けや電話対応、ジム内の商品販売などが主な仕事なので

(なんか退屈そうだな)

と思っていたが、やり始めてみると楽しかった。

受付で会員さんと話すのが楽しかったり、インストラクターの中には元ボクサーの方もいたので、パンチの打ち方など教えてもらえたりした。

また、目に見えて痩せて行く方も多く、そういった方の変化を見るのも楽しかった。

余談だが、痩せられた方は例外なくキレイになっていった。着る服なども変わって、「誰ですか?」というくらい印象が変わる方もいた。

(女性ってほんとに変わるんだなぁ)

当時しみじみそう感じたものだった。まったく変わらない方も中にはいたが。。。

さておき、働き始めて4カ月くらい経ち仕事にも完全に慣れたころ、新しいアルバイトが入ってくることになった。

新人アルバイト

新人は二十歳の大学生でYくんといった。僕と仕事内容が同じなので、基本的に僕が仕事を教えることになった。

「・・・が、だいたいの仕事内容。特に難しいことないと思うけどわかる?」

一通り説明した後、新人君に聞く。

「はい。わかります。ただ、入会案内と手続きのところが難しそうで。。。」

「入会関係は書いてもらう書類とか多くてまだ難しいと思うから、慣れるまではオレか、オレおらんときは誰かに頼んだらええわ。」

「わかりました!え~と、入会関連の案内と手続き、クロー・・なんでしたっけ」

「クロージング、営業用語で、お客さんに買うって決めてもらって、契約締結するまでの一番大事なとこそういうねん。営業でしか使わんと思っとったけど、このジムでも使うらしい。」

もともと会社で営業やっていたので「クロージング」という言葉自体に馴染みはあったが、営業以外でも使われることは知らなかった。アルバイトしているジムでは、入会案内~入会手続き完了までが「クロージング」とされていた。

クロージングの中で一番大事なのは、入会を迷われている方に、「入会しよう!」という意思決定をしてもらう部分である。

もちろん入会を強制せず、自然とそう思っていただけるような説明をしないといけない。このあたりは、説明する側の腕のみせどころである。

Yくんは二十歳の大学生だったが、ちょっと嫌なことがあるとすぐに辞めてしまうダメな感じの若者ではなく、真面目で素直な子で、仕事覚えも早かったので、2か月経つころには、仕事も覚え、会員さんとも自然と話せるようになっていた。

ただ素直なので、思ったことを何でも口にしてしまう。

「○○さん頑張ってますけど、なかなかボクササイズ効果出ないですねぇ」

など、完全に余計なことを言ってしまうこともしばしばあり横でドキドキしていたが、悪気がまったくなくニコニコしてそう言うので、会員さんも悪い気はしてないように見えた。(たぶん。。。)

そんな姿を見ていて、もう入会案内など彼にまかせても大丈夫かなと思っていた。

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初めてのクロージング

その日は体験レッスンの方が2名いた。

これまで、体験レッスンにこられた方の対応は社員さんか僕がしていた。

この日は、社員さん、Yくん、僕とフロントに入っていたが、社員さんが「さかもとおらんくなるし、Yに対応任せてみよう」というので任せることにした。

僕は半年間の専門学校での学習が終わって就職活動に入っていたので、その月でアルバイトをやめることになっていた。

まず、体験レッスンの感想を聞くところから始まる。二人とも体験レッスンが楽しかったようで、反応は上々だった。

「楽しんでいただけてよかったです。実は体験レッスンを受けられたほぼすべての方が楽しいと言ってくれるのですが、楽しみながら痩せれるというのがこのジムの大きな特徴でして、一般的にはきついというイメージのあるトレーニングですが、うちですと・・・」

スムーズにジムの詳細説明に入っていく。体験レッスンを受けられた2名の反応もいい感じだ。入会してもらえそうだなと思いながら見ていた。

「いかがでしょう?もちろん、今すぐ入会を決めていただく必要はありません。帰って検討していただいてからでも大丈夫です」

一通り説明した後、Yくんがそう言う。完璧に見えた。

「わたし、入会するわ。どうする?」

一人の方が入会を決めてくれ、もう一人の方に確認した。

「う~ん。どのくらいの人が実際に効果出てるんでしょうか?評判も良いし、痩せた人がたくさんいることを疑う訳ではないんですけど。。。」

(こういう人はいる。ただ、本音を言わせてもらうと結局自分次第だ。このジムのレッスンプログラムは素晴らしい。続ければ絶対に痩せる。続けやすい仕組みもジム側は頑張って作っている。

しかし結局、続けるか続けないかはその人次第だ。

「もうしんどい!!や~めた

となる人を、残念ながらジムは救えないのである。

 僕が説明をするときもこういう人はいた。そして、こういう決めかねている人に

「このジムで頑張って痩せよう!!」

と思ってもらえるように説明するのが僕たちの仕事。さあYくん!どうする!?)

Yくんの次の言葉を楽しみに待った。そして次の瞬間、Yくんから衝撃の一言が飛び出すのだった。

「それでは、クロージングに入ります!!」

 

 

固まる社員さんと僕。

(それ、言わんでいい。。。TT)

と思ったけどもうどうしようもない。。。

Yくんたぶん

(よし!クロージング気合い入れよう!!)

って思っちゃったんやな。思ったこと言うちゃう子やから。。。でも、それ言うたらあかん。。。

僕、これからあなたに営業かけます!!」

って聞こえるよ。。。

 そんな僕たちの思いに気づくこともなく、Yくんは熱心に説明を続けるのだった。。。

おわりに

結局Yくんの熱意が通じたのか、このときは2名とも入会してくれました。Yくん凄い喜んでましたが、

「クロージングって言葉にして言うたらあかんで」

と教えてあげました(笑)

Yくんとは気が合ったのでアルバイトを辞めてからも就職活動中は一緒にご飯へ行ったりしてましたが、僕がほどなくして小さなシステム開発会社に就職が決まると、仕事、勉強と忙しくなり会う頻度が減っていき、疎遠になっていきました。

Yくん、今ではどこで何をしているのかわかりませんが、きっと結婚して幸せな家庭を築いていると思います。あの屈託のない笑顔からはそのイメージしかできません。

この記事を書いていたら久しぶりに会いたくなったので、SNSを駆使してYくんを探してみようかなと思います(笑)

今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。

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