池手名 伊三(いけてな いぞう)物語⑤【バッティングセンター編】 ~うっとしいおっさんが行く~

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今回のお話

架空のうっとしいおっさん、「池手名伊三」シリーズ第5弾です。今回はバッティングセンターに行ってみました!

後輩とバッティングセンターへ

山本:「池手名さん、付き合わせちゃってすみません。」

いぞう:「いや、いいんだ。僕も野球は好きなんでね。」

今日は、会社の後輩、山本が週末に野球の試合を控えているということで、仕事終わりに二人でバッティングセンターへ来ていた。

このバッティンセンターはゲージが6カ所あり、それぞれスピードが振り分けられている。そして、その中のいくつかのゲージは、プロのピッチャーの映像に合わせてボールがくる仕組みになっていた。

いぞう:「凄いね。今のバッティングセンターは映像付きなんだね。」

山本:「池手名さん、バッティングセンター久しぶりですか?今はこんな感じが多いですよ。」

いぞう:「もう20年くらい来てないかもしれないね。」

山本:「じゃあ、今日は久しぶりにかっ飛ばしてくださいね!じゃ、ちょっと先に打ってきますね。」

そう言い、山本は110km/hのゲージへ入っていった。

キーン! カキーン!!

小気味良い音を響かせ、次々とボールをはじき返す山本。週末と言わず、今すぐ試合でも良さそうな仕上がりである。

いぞう:「ナイスバッティング!調子良さそうだね。」

山本:「良い感じです。対戦相手のピッチャー、多分これくらいのスピードだと思うんですよ。」

いぞう:「山本くんのリーグのピッチャーはだいたいこれくらいなのかい?」

山本:「そうですね。ストレートは100km/h~115km/hくらいのピッチャーが多いですね。120km/h投げれたら速い部類に入ります。」

いぞう:「130km/hは?」

山本:「むちゃくちゃ速いです。というより、そんなピッチャー、うちのリーグにはいません。」

いぞう:「じゃあ今日は130km/hをかっ飛ばすとしよう。」

山本:「池手名さん、130km/hを打てるんですか?20年振りなんでしょ?」

いぞう:「130km/hを打ったことはないが、僕にできないことはないよ。」

山本:「もしほんとに打てるなら、助っ人にきてほしいくらいですよ。」

いぞう:「週末、空けておくよ。」

いぞう、130km/hへ挑戦

山本:「あれ?池手名さん、ゲージ入らないんですか?」

ゲージの前で足を止めるいぞう。

いぞう:「いや、ピッチャーがね。。。」

130km/hのゲージは阪神タイガースの藤波投手だった。

いぞう:「ちゃんとストライクを投げてくれるかい?」

山本:「大丈夫です。その藤波くんはコントロール良いです。ど真ん中にしかきません。」

いぞう:「なら安心だ。」

ゲージへ入るいぞう。

山本:(池手名さん、ほんとに打てるのかな。。。)

藤波がゆっくりと投球動作へ入る、右打席で構えるいぞう。

バーン!!! ・・・・・・・ ブンッ!

バーン!!! ・・・・・・・ ブンッ!

空を切るいぞうのバット。

バーン!!! ・・・・・・・ ブンッ!

バーン!!! ・・・・・・・ ブンッ!

山本:「あの、池手名さん。。。ボール、見えてます?」

ゲージを開け、話しかける山本。

いぞう:「少し、タイミングが合わないな。」

山本:「いや、あの、そういう次元の問題じゃないです。ボールがキャッチャーに届いてから、2秒後くらいにバット振ってますよ。」

バーン!!! ・・・・・・・ ブンッ!

いぞう:「今日の藤波くんは調子が良いらしい。」

山本:「いつも同じ調子です。」

バーン!!! ・・・・・・・ ブンッ!

いぞう:「当たらないな。」

山本:「今のままだと、地球誕生クラスの奇跡でも起こらない限り無理です。」

いぞう:「じゃあ、宇宙に生命が存在できる星をもう一つ作るとしよう。」

バーン!!! ・・・・・・・ ブンッ!

バーン・・・

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ホームラン狙い

山本:「おつかれさまでした。」

いぞう:「地球のような星はできないらしい。」

山本:「他にあるって話も聞きますけどね。てか、本来そういう話ではないですけどね。」

いぞう:「週末だが・・・」

山本:「予定入れていただいて大丈夫です。」

いぞう:「いや、今のは・・・」

「ホームラン!ホームラン!おめでとうございます!!ホームランです!!」

突如、バッティングセンター内にアナウンスが流れた。

いぞう:「これはなんだい?」

山本:「ホームランです。あそこに的があるでしょ?あれに当たればホームランなんです。」

山本が指差した先にホームランと書かれた的があった。

いぞう:「何かもらえるのかい?」

山本:「1ゲーム無料券がもらえるんですよ。」

いぞう:「よし!汚名挽回といこう。」

山本:「ちょっ、池手名さん!もう藤波はやめましょう。あの端の80km/hにしましょう」

一番端に80km/hのゲージがあり、今は小学1年生くらいの子が打っていた。

山本:「あの子の後、打ちましょう。」

いぞう:「不本意だが、20年のブランクだ。80km/hで調子を取り戻すとしよう。」

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いぞう VS 80km/h

山本:「池手名さん、しっかりボール見てくださいね。」

いぞう:「かっ飛ばしてくるよ。」

ゲージへ入るいぞう。

ピッチャーのモーションに合わせボールがくる。80km/hなので、かなり山なりのボールである。

ボコッ・・・

バットの先端がボールに当たる。

山本:「池手名さん!当たりました!いけますよ!」

ボコッ・・ボコッ・・・カキッ・・・ボコッ・・・カキッ・・・カキーン・・・

だんだんと芯に近いところへ当たり出し、前にボールが飛ぶようになってくる。

山本:「池手名さん!いい感じです!」

カキッ・・・カキーン・・・カキッ・・・カキーン・・・

80km/hにタイミングが合ってくるいぞうのバット、そして、最後のボールを初めてバットの芯でとらえる!

カキーン!!!!

フワッと上がった打球は、フラフラとホームランの的の方へ上がっていく。

山本:(当たる!!)

山本がそう思ったとき、打球は的の手前で失速。そのまま的をかすめるようにしてボールは落ちていった。

ゲージを出てくるいぞう。

山本:「惜しい!!当たったと思いました!!」

いぞう:「今、かすめなかったかい?」

山本:「僕にもそう見えましたけど、アナウンス流れないんで当たってないんですよ。」

いぞう:「いや、確かに当たったはずだ。確認してくる。」

可哀想な店員さん

フロントへ向かういぞう。

いぞう:「すみません。確認したいことがあるんですが。」

まだ若そうな学生と思われる男性店員へ声をかけるいぞう。

店員:「なんでしょう?」

いぞう:「今、僕が打った大飛球を見てたかい?」

店員:「いえ、お客様のバッティングを常に見ている訳ではありませんので」

いぞう:「そうか、今ね、僕が火の出るような打球を打ったんだが、その打球が「ホームラン」の的へ当たったんだ。なのにホームランにならない。どういうことか説明してくれるかい?」

山本:「正確には、当たったんではなく、かすめたんです。あと、火のでるような打球でもありません。」

店員:「かすめた程度でしたら、アナウンス鳴る場合と鳴らない場合があるんですよ。まともに当たったら必ず鳴るんですが。」

山本:「そうなんですね。池手名さん、今回はかすめたかもしれないですが、アナウンス鳴らなかったのであきらめましょう。」

いぞう:「そうはいかない。かすめてたらホームランのはずだ。当たってることに変わりはない。」

店員:「そうなんですが、基準がアナウンス鳴るか鳴らないかでして。。。」

山本:「池手名さん、もうやめましょう。店員さん可哀そうですよ。」

いぞう:「いや、はっきりさせないといけないんだ。僕たちの会社でも、問題をうやむやなまま終わらせることがよくあるだろ?そういった場合、後々ろくなことにならない。違うかい?」

山本:「いや、そうですけど、今回はホームランじゃないという明確な結論が出てますよ。」

店員:「すみません。アナウンス鳴らなかったらホームランではないんです。」

考え込むいぞう。。。

いぞう:「仕方ない。。。チャレンジを申請する!!

店員:「え?・・・チャレンジ?」

いぞう:「そうだ、ビデオ検証に入ってくれ。

山本:「あの、池手名さん。。。」

いぞう:「今はあらゆるスポーツで導入され、野球にも導入されてるはずだ。当然の権利だ。」

店員:「うち、チャレンジとかやってないです。。。」

山本:「池手名さん、この店だけじゃなくて、どこのバッティングセンターもチャレンジとかないですよ。あれはプロ野球だけです。」

いぞう:「阪神の藤波くんが投げてるじゃないか。」

山本:「バーチャルです。」

いぞう:「もったいぶるのはやめて早くビデオ検証に入ろう。ちゃんとあそこにビデオカメラがあるじゃないか。チャレンジ制度がないとしたら、何の為にビデオカメラがあるんだい?」

店員:「防犯カメラでして。。。」

山本:(ごめん、店員さん、こうなると、この人しばらくこのままです。社会に出るとこんなうっとしい人いるんです。勉強だと思って、しばらく耐えてください。ごめんなさい。。。)

彼の名は、「池手名 伊三(いけてな いぞう)」

彼が放った打球は、実際の試合だと浅いセンターフライである。

おわりに

プロ野球のチャレンジ制度、去年からに本塁でのクロスプレーにも導入されましたね。
いいことだと思うのですが、個人的には審判の方の価値が下がるような気がして少し残念な気もします。

例えば、外野手が本塁に凄い返球をするプレー。ランナーの足がギリギリ先に入っていてセーフだとしても、返球が凄かった勢いでアウトって言ってしまうこともあると思います。

で、それはアウトでいいんではないかと。だって、目の前で見た審判の方がそう判定されたんですから。厳密には誤審だとしても、それも含めて野球なのになぁとか考えてしまいます。

バッティングセンターにチャレンジ制度が導入されることは永久にないでしょうけどね(笑)

今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。

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